過去5年で最も成長したJリーグのクラブはどこか?
営業収益が増加したクラブ/減少したクラブ
2013年から2017年までの5年間で、営業収益が増加したクラブは54クラブ中49クラブ。逆にいうと、営業収益が減少したクラブはたったの5クラブだけです。
Jリーグ全体での5年間の成長は約130%で、平均して年7%成長です。これには、各クラブの成長もありますが、クラブ数の増加(51→54)も大きく関係しています。
最も成長率が高いクラブ
No | クラブ | 成長率(%) | 増加金額(100万円) |
---|---|---|---|
1 | 盛岡 | 375 | 206 |
2 | 琉球 | 365 | 175 |
3 | 讃岐 | 316 | 476 |
4 | 神戸 | 267 | 3,277 |
5 | 山口 | 265 | 635 |
6 | 相模原 | 254 | 171 |
7 | 札幌 | 250 | 1,605 |
8 | 金沢 | 236 | 378 |
9 | 長野 | 228 | 394 |
10 | 福岡 | 227 | 1,108 |
参考 | 山口(*1) | 653 | 863 |
5年前と比較して、成長率を計算したとき最も成長率が高いクラブは、JFL時代を含めるとレノファ山口です。レノファ山口の一番古い決算情報はJFL時代の2014年度ですが、そこと比較して6.5倍に営業収益が伸びています。J3への参入から比較しても、2.6倍の伸びで、全体の5位にランクインしています。後発でJ3への参入してから3年で10億に到達したレノファ山口は、今後Jリーグを目指すチームのモデルケースの一つになるのではないでしょうか。
J参入後だけで考えるとグルージャ盛岡が最も成長率が高く、3.7倍。そこからFC琉球、カタマーレ讃岐と小規模地方チームが続きます。その次がヴィッセル神戸で2.6倍なのですが、元の営業収益が大きいため金額にすると、なんと32億も増加しています。まだイニエスタの影響が入っていない状態ですので、2018年度はさらに伸びることが想定されます。
傾向として、成長率で見た場合は元々の営業収益が小さいクラブほど大きく出やすいので高い順位となりやすく、地方の小規模チームの多くが上位に入っています。中規模以上のチームで上位に入っているクラブの場合、ヴィッセル神戸も含め、かつて破綻しかけたクラブ(コンサドーレ札幌、アビスパ福岡)がV字回復を達成することで高い成長率を記録しています。ただ、ヴィッセル神戸の場合は、それ以上の要因がありそうですが。。。
最も営業収益が増加したクラブ
No | クラブ | 成長率(%) | 増加金額(100万円) |
---|---|---|---|
1 | 神戸 | 267 | 3,277 |
2 | 浦和 | 138 | 2,185 |
3 | G大阪 | 178 | 2,180 |
4 | 川崎F | 159 | 1,909 |
5 | 鳥栖 | 197 | 1,646 |
6 | 札幌 | 250 | 1,605 |
7 | 福岡 | 227 | 1,108 |
8 | 鹿島 | 127 | 1,106 |
9 | 松本 | 212 | 1,052 |
10 | FC東京 | 129 | 1,043 |
差分の金額で見ると、ヴィッセル神戸が一番増加しています。それ以外は元々の営業収益が大きいところが順当にランクインしています。
規模が大きくなかったところから急成長を遂げているのは、サガン鳥栖と松本山雅FCですね。サガン鳥栖はCygamesとの関係からでしょうか、急激に営業収益が伸びています。松本山雅FCは2015年にJ1に昇格した際に広告料収入が伸び、J2に降格してからも広告料収入があまり減少しなかったことで、大きな伸びとなっています。やはり上のカテゴリーを経験することで、クラブの市場価値が一気に高まる傾向にあることがわかりました。
まとめ
それぞれの上位5チームをプロットすると下記のような図になります。成長率では、JFL時代を含めた場合のレノファ山口が、増加額ではヴィッセル神戸が頭一つ抜けている状態なのがよくわかります。
2018年度の決算ではどのように変化しているのか、まだシーズン中ですが楽しみです。