Jリーグの決算とかを眺めてみる。

経営知識のない人間による、Jリーグのクラブ情報を見てみるブログ

Jリーグのクラブ決算を流し読み!

 7/30にJリーグより2017年度の各クラブの決算が発表されました。

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h29kaiji.pdf

初めて全クラブの営業収益の合計が1000億を超え、DAZN効果等もあり、Jリーグが成長していることがわかりやすい数値として出ました。

 成長している要素はなにか?どういった傾向があるのか?など発表された数値を元に気になった部分を分析してみたいと思います。

2017年度 ~まずは超ざっくり~

 2017年度の営業収益のTOP10はこちら。

順位 クラブ 営業収益(百万円) カテゴリー
1 浦和レッズ 7,971 J1
2 ヴィッセル神戸 5,237 J1
3 鹿島アントラーズ 5,228 J1
4 川崎フロンターレ 5,123 J1
5 ガンバ大阪 4,966 J1
6 横浜Fマリノス 4,765 J1
7 名古屋グランパス 4,594 J2
8 FC東京 4,588 J1
9 清水エスパルス 4,010 J1
10 セレッソ大阪 3,976 J1
参考 J1合計 73,479 J1
参考 J1平均 4,082 J1
参考 J2合計 31,079 J2
参考 J2平均 1,413 J2
参考 J3合計 6,004 J3
参考 J3平均 429 J3
参考 Jリーグ全体平均 2,047.4 -
参考 Jリーグ全体中央値 ※1 1,499.5 -

※1 偶数なので27位:湘南(1,566)と28位:岡山(1,433)の平均値

 

群を抜く浦和レッズ。それでも・・・。

 リーグでは7位と低迷しましたが、ACLで10年ぶりの優勝を果たした浦和レッズが飛び抜けて高い営業収益(約79億円)をあげています。J3に所属する14チームの営業収益の合計(約60億円)よりも大きな収益をあげることができています。

 

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 浦和レッズの営業収益がJリーグの中で、どれくらい飛び抜けているのかを示すために、54クラブで偏差値を算出してみたところ、浦和レッズの偏差値は83。2位のヴィッセル神戸が偏差値67なので、差は歴然です。

 

 しかし、それでも世界的に見た場合、浦和レッズでも規模はまだまだ小さいと言わざるを得ません。デロイトトーマツ社が毎年発表しているFootball Money League*1によれば、2017年で一番売上を上げてクラブはマンチェスター・ユナイテッドでその額なんと、日本円にして約850億円となります。これはJ1の18チームの営業収益の合計よりも大きいです。

 同じくFootball Money Leagueによれば、中国の有力チームである広州恒大は、浦和レッズを超える約96億円もの営業収益があり、更に今後伸びていくことが予想されています。

 また、日本で最も人気のあるプロスポーツであるプロ野球に目を向けると、2015年の古いデータになってしまいますが、一番収益の少ないヤクルトスワローズで約77億円、一番収益の多いソフトバンクで約274億円と浦和レッズと同等、もしくは3倍以上となっており、まだまだ、クラブレベルではプロ野球とは大きな差はあると言って良いでしょう。

 

 Jリーグでは抜きん出た存在である浦和レッズですが、世界的に見れば規模は小さく、アジアでも一番になれていない状況です。Jリーグをより魅力的なリーグにするには、裾野を広げるだけでなくトップチームがより魅力的になっていく必要があるでしょう。浦和レッズを始めとした複数の有力クラブが、アジアでも有数のクラブに成長し、ヨーロッパのクラブと事業規模でも戦えるようなクラブに成長していくことを期待したいと思いますし、その流れは近年生まれつつあるので、ぜひ実現してほしいと考えています。

 

*1:デロイトトーマツグループ資料

www2.deloitte.com